修復・施工事例

これまでの施工事例をご紹介(伝統的建造物群の修理)

K家住宅長屋修理工事並びに修景工事

建築年代 19世紀前期頃 修理年度 平成22~23年度
構造形式 木造2階建、桟瓦葺き、居蔵造り、土中塗り仕上
工事内容 屋根瓦及び外壁修理、損傷部修理、柱間装置の整備
設計監理 Y.O設計 施工者 ㈱諌山工務所
 本建物はK家使用人の4戸長屋として建築され、背面には共同井戸(現在は遺構)を附している。現在は中央部分の2戸を残し、両端は除去され安定性が損なわれ、経年の構造疲労とも相俟って傾斜や不同沈下も著しく、また永年の雨漏れ被害の進行から各所に腐朽が見られ、いつ倒壊してもおかしくない状態であった。良い時期に修理出来たと思う。

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 H家座敷修理工事

建築年代 天保4(1835)年 修理年度 平成21年度
構造形式 木造平屋建、桟瓦葺き、居蔵造り、土中塗り一部漆喰仕上
工事内容 床・屋根・小屋組補強、屋根瓦葺替え、外壁・軒裏整備、建具整備、古色塗装
設計監理 Y.O設計 施工者 建築みのる
 広大な屋敷地の中の主座敷の修理であり、寄り付きが良くなく、隣地建物もあり施工は難儀した。建物の損傷は雨漏れや白蟻被害など酷く、腐朽材の取替等手間ひまが掛った。当家は修理後、国の史跡指定を受ける程の物件であったので、仮設素屋根を掛けるなど文化財保存修理の施工要領を現状で出来る限りに実施した。

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M家主屋修理工事

建築年代 大正14(1925)年 修理年度 平成21年度
構造形式 木造平屋建、桟瓦葺、軒化粧タルキ、土中塗り黒漆喰仕上
工事内容 屋根瓦葺、下屋先の銅板大判型葺替え、外壁剥落亀裂修理
設計監理 Y.O設計 施工者 重森建築企画⇒銭花設計工務
 棟札から棟梁は博多の人で、小屋組工法に地元大工と多少の違いが見られる。使用材等上質の建物である。三度の曳き移転を経験しているなど多少の狂いが生じていた。屋敷型の建物である。

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MM家旅籠(借家)修理工事

建築年代 西棟:(1760年頃口伝)
18世紀中
修理年度 平成20年度
東棟:明治27(1895)年
構造形式 西棟:木造2階建、叉首構造、茅葺鋼板包、土中塗り真壁仕上
東棟:木造2階建、桟瓦葺、土中塗り真壁仕上
工事内容 内部茅除去、草葺型鋼板張、屋根瓦葺替、外壁修理、構造及び北表通り側の地盤補強、建具整備、古色仕上
設計監理 Y.O設計 施工者 ㈱谷組
 築後250年経過した草葺建物に瓦葺の東棟が接続された1体の建物である。東棟から安政7(1860)年の瓦が見つかり年代測定が口伝されていた。しかし、今回の修理で東棟は明治27年11月上棟の棟木墨書で歴然とした。当初は商人宿の用途で2階客室は床の間が、通り側には肘掛窓が付いている。使用部材は華奢で平成3年19号台風の被害では屋根軸が傾く。経年疲労による傾斜、不同沈下等倒壊が懸念される状態にあった。

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IM家主屋修景工事

建築年代 昭和30(1955)年 修理年度 平成20年度
構造形式 木造2階建、半切妻セメント瓦葺、ラスモルタルリシン吹付、半分杉板鎧張
工事内容 屋根瓦葺替、外壁・軒裏修理、構造補強、建具整備
設計監理 Y.O設計 施工者 河津建設㈱
 昭和20年8月15日午前中に旧家屋は戦時下の防火帯空間のために強制取り壊しになる。正午に終戦の勅が下る。10年後に建築するも主柱が確りする外、古材の使用が認められ、野地板は駒返し、防水紙はなく直にセメント瓦を葺き、2階和室天井板は結露水滴の痕を認めるなど歴史の申し子とも言える。

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Y家土蔵修理工事

建築年代 18世紀前期 修理年度 平成19~20年度
構造形式 木造2階建、桟瓦葺き土蔵造、漆喰塗り仕上、樫柱使用
工事内容 東壁面全面修復、下屋部屋根及び外壁修理、1階床補強修理、建具整備
設計監理 Y.O設計 施工者 河津建設㈱
 当初草野本家の土蔵であったが、昭和46年に買取り、住居とする。経年疲労と蟻害や雨漏れによる損傷は酷い。東壁の主柱の柱脚は全て腐朽、損傷状態で柱脚修理は4mまで取り替えるなど倒壊寸前と言え、傾斜、沈下直しも完全に復することは出来なかった。本来は少なくとも半解体修理とすべき物件であり、土蔵大壁の建物での2ヶ年修理は充分と言えない。

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IK家座敷修理工事

建築年代 弘化3(1846)年 修理年度 平成19年度
構造形式 木造平屋建、寄棟桟瓦葺、居蔵造り、土中塗り仕上げ
工事内容 屋根瓦葺き替え、外壁軒裏修復、AWを木製等建具整備
設計監理 Y.O設計 施工者 伊藤建築事務所
 I家は江戸期に掛屋を務めたT家をS63年に買得した。本修理の座敷は弘化3年に増設した物件で4間取り平屋の居蔵造りである。主屋との接続は、中廊下を挟み、北エン付8帖仏間、南に8帖、その西奥は7.5帖次の間、北に10帖の座敷(床・書院付)を北から西に廻りエンが付く。エン北側には土戸の防火戸が引き込まれる。
瓦は経年疲労でブルーシートが掛かり、外土壁は亀裂・剥落があった。

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Y家主屋修理工事

建築年代 明治16年頃(増:昭和2年) 修理年度 平成18年度
構造形式 M16:木造2階建、寄棟桟瓦葺、居蔵造り、白漆喰仕上げ
S2:木造2階建、切妻桟瓦葺、土塗り真壁造り、白漆喰仕上げ
工事内容 屋根瓦葺替え、外壁(小舞外土塗り)修理、室内間取り復旧整備
設計監理 Y.O設計 施工者 ㈱高場組
 日田に洋釘が使用され出したのは明治16年頃からである。後背増築部は昭和2年8月1日の上棟、墨書で確かな年代が判明した。
経年疲労により外壁の破損は酷く、修理痕は何回も見られる。外壁は小舞の腐朽と外側の壁土の落下等あり、単年度修理の為に小舞竹の繕いと土壁の付け送り補修で対応。仕上げは当初工事が腰板張りの下も白漆喰の痕跡であり、その通りに復旧とした。屋根瓦も役物の板鬼と1F下屋部は音響調査の上、古瓦を使用した。土間店、座敷2室に北側通り土間に復した。

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IT家借家修理工事

建築年代 1800年頃(享和年間) 修理年度 平成18年度
構造形式 木造2階建、桟瓦葺切妻屋根、土蔵造り妻入り、土中塗り仕上げ
工事内容 屋根瓦葺替え、外壁軒裏修理、室内間取り復旧整備
設計監理 Y.O設計 施工者 ㈱今井工務店
 当初農家の土蔵であったものを、明確な建築年代を示す墨書はないが1800年頃当地に移設したという。3k×5.5k土蔵を、1階は南北に3室の6間取り、2階は東西に3室を配った間取りで住宅として貸した。屋根・壁等の傷みは酷く構造部材も腐朽・虫害が進行。壁土で辛うじて建っている状態であった。

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 ※伝統的建造物群の修理・修景・復旧
  修理とは、建築後長い年月を経て、損傷や劣化、改変するなどした伝統的建造物群について、その本来の特性(位置、規模、形成、意匠または色彩)を維持又は回復するための行為をいう。この特性が留められている建造物については現状維持のための修理を行い、改変されているものについては復原的修理を行う。
 これに対し、周囲の伝統的町並み景観の特性に則って建造物を新築する行為又は伝統的建造物以外の建造物を増改築する行為を修景という。
 また、環境物件について、その本例の特性を維持または回復するための行為を復旧という。